[論文]渦糸クラスターの動的磁気応答の可視化に成功

2026年09月28日

超伝導渦糸クラスターの動的磁気応答を走査型SQUID顕微鏡で可視化した研究成果が、米国物理学会が発行する学術誌「Physical Review B」に2026年9月28日付で掲載され、Editors' Suggestionに選出されました。

超伝導体に磁場を加えると、磁束は「超伝導渦糸」と呼ばれる微小な磁束の束として侵入します。通常、渦糸同士は反発しますが、特定の条件下では、多数の渦糸が集まり、クラスターを形成することがあります。本研究では、走査型SQUID顕微鏡を用いて磁束分布と局所的な磁気応答を同時に測定することで、こうした渦糸クラスター内部のダイナミクスを局所的に可視化しました。

その結果、静的な磁束分布はクラスター内部で比較的一様である一方、渦糸の運動はクラスター内部で強く抑制され、境界付近では大きな応答を示すことが分かりました。このような空間的に不均一なダイナミクスは静的な磁気イメージングだけでは捉えることができず、渦糸をクラスターとして結びつける相互作用を調べる新しい手段となります。

本研究は、弱い第二種超伝導体CaSb$_2$における渦糸クラスターの性質を明らかにするとともに、超伝導渦糸間の非単調な相互作用や、異常な渦糸クラスター形成の起源を局所磁気応答から探る新しいアプローチを掲示するものです。

論文:
Y. Iguchi, N. Nandi, and M. Oudah
Visualizing Vortex Cluster Dynamics in the Weakly Type-II Superconductor CaSb$_2$
Physical Review B (Letter) 114, L140504 (2026), Editors' Suggestion
DOI: ⁠10.1103/gj5m-ntpz

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